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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
ぽたり…
ネイビーブルーが部分的に色濃く染まる小さな音がする
「っ………」
ほんの僅かな音だったけれど、その音に空気が動いて、部屋にいた全員が一斉にアタシに目を向けたのがわかった
すると、そのタイミングを期に、雅くんと渚くんの間に割って入る靴音
「そこまでにして…ちーちゃんの前で一旦やめて」
ハッとして顔をあげると、眉根を寄せた葵くんが雅くんと渚くんのカラダを引き離した
「葵…!!」
「ナギ、気持ちはわかるけどその殺気消して」
っ……!!
感情を乱した渚くんの声にビクリと肩がすくむ
「みっくんはとりあえず…これ、着なさい」
葵…くん……
葵くんはフンッと鼻を鳴らす雅くんに言い聞かせるように脱ぎ捨てられていたシャツを拾うと、袖を通すように促す
が…
「っ…………!!」
雅くんの胸元を見た瞬間に一時停止した葵くん
目に止まった生々しくも新しい傷に、シャツを握りしめたままソファーにいるアタシの姿を凝視して顔を歪める
そして…
「……みっくん」
少し低い声に、パサリと床に落ちるシャツ
え……
葵…くん…!?
…次の瞬間
「………きゃっ!!」
ドカッ!!
…ガッターン!!!
「─────!!」
大きな音と共にフロアの床に吹っ飛ぶ雅くん
葵くんの長い脚に蹴り飛ばされて、雅くんのカラダはテーブルに激しくぶつかってから床へと崩れ落ちる