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ネムリヒメ.
第22章  あの夜の…….




「っ…!!」


こんな時でさえ、ドキッと瞳を奪う聖くんの上目遣い…


しかし、それは一瞬で


「雅になんて簡単に許しちゃう悪い子にはお仕置きしてあげよっか…」

「────!!」


甘えた表情をあっという間に悪戯な笑みに変え、そんなことを言う始末で…


「お前が一番たち悪いっての」


ゾクッとして聖くんから腰を引くと、カツンと小さな氷が葵くんから飛んでくる


「…それで、みっくん」

「……!?」

「早くみっくんを海に沈めてあげたいからさ、話すことさっさと話して」


……………!!


あれからけして笑うことのない葵くん

彼は綺麗な顔を不機嫌に歪ませたまま、雅くんに話を振る

そんな葵くんに、雅くんは言葉よりも先に乾いた笑い声を返した

彼は離れたソファーから腰をあげると不適な笑みを唇に乗せる


「つーかさ、お前ら…どんだけ気に食わねぇの」

「…………」

「自分たちは欲望のままにこいつを抱いてきたくせに、オレが手出すのがそんなに許せねぇ!?」

「っ……」


それぞれが違う方向を向いたまま、しばらく訪れる沈黙…

全員が怖い顔をしたままで、雅くんの言葉に部屋の空気が痛いくらいピンと張りつめる

そんななか、


「あはっ♪ 論外だよ、雅…」


初めに口を開いたのは聖くんで


「ねぇ、冗談も休み休み言ってくんない」

「は、冗談…」


ヘラっと笑ったあと、雅くんとバチバチと音が聞こえるくらいに冷たく刺すような視線を絡ませる




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