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ネムリヒメ.
第22章  あの夜の…….




でもそれは夢だから大丈夫

大丈夫だから


乱れた呼吸を整えようと、必死に自分にそう言い聞かせる


大丈夫…


怖くない


怖くないから…


ちょっと怖い夢を見ただけ


そう夢を…


しかし、


「っ…!?」


ベッドに横たえられたカラダに覚える違和感


両方の手首にまとわりつくような不自然な重みに、ガチャリと金属のぶつかり合うような無機質な音が耳に届く


ウ…ソ……


その感覚にゾッとして、横になったまま慌てて手首を確認した


「…………!!」


さっき見たのは本当に夢だったのだろうか…


目の当たりにしたそう疑わざるを得ない光景に、言葉を失い息を詰まらせるアタシ

変な汗がたちまち吹き出してくるのを覚える


艶消しの施された黒いふたつの輪のなかに納まるアタシの手…

それを頑丈な鎖が繋ぎ止めている


ウソ…でしょ…


手首に掛けられた金属製の拘束具


…手錠だった


「っ…なに…これ」


信じられない光景に、慌てて手首を引き抜こうとする

が、

無論、簡単に外れる筈もなく、虚しくもガチャガチャと冷たく無機質な音がするだけだった


外れない…

ヤダッ…


擦れた手首が赤く染まり、込み上げる恐怖に近い不安に心臓がドクドクと嫌な音をたて始める


「ッ…」



夢じゃ…なかった…!?


頭のなかが真っ暗になった





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