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あたしに全部見せなさいっ!
第4章 男の子の体

 詩織に言われた『萌えない』を思い出し、また少しブルーになりそうなのをえいやあっと振り払い、漫画を読む柚留を見つめる。邪魔な冊子の隙間から顔を覗き見ると、やっぱり真っ赤だ。
 お? これは萌えてるのかっ?

「なんで僕の顔じろじろ見るの!?」
「なんでって、萌えてるかなーって。萌えてるとしたらどのページでかなって」
「萌えて……はないけど。恥ずかしい……」

 あたしの視線から逃げるように、瞼を閉じる。長い睫毛がふさふさと目元を覆った。

「いいじゃん、漫画くらい。柚留はホントに乙女なんだからっ」

 恥ずかしがる柚留から、仕方なく離れることにした。そして、五分足らずで全て読み終えたらしい柚留からの感想は、一言だけ。

「絵、すごく綺麗だった!」
「ちっがーう!」

 いやいや、絵を褒められるのも嬉しいけど。今欲しいのはそこじゃなくて。
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