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Platonic Love
第2章 美人さんとジュラシックパーク




「ずいぶん安いわね」

声が出せないでいる俺の気持ちを代弁するように清美さんはそう言い、猫さんの手から指輪を取り上げてジロジロと見た。

猫さんはニコっと笑いテーブルの上に一万円札二枚を置いた。

「流行りのもんはすぐに廃る。あと、お前が気に食わないから2万」

私情を挟んだ理由に納得が出来なかった俺は言ってやった。


『ふざけんな!!俺が気に食わないとかは関係ねぇだろ!!ちゃんと仕事しやがれ詐欺師!!これ20万で買ったんだかんな!!!』


………って心の中で。

いきなり訪ねてさすがにそこまで言えない。

猫さん目付きとか口調怖いし。

納得いかないけど仕方なく俺はテーブルに置かれた2万円を受け取った。

「もうちょい高くつかない?」

不服そうな顔をしてたのか、俺の顔を見た清美さんが猫さんにもう少し値段を上げるよう交渉してくれた。

けど猫さんは聞く耳を持たなかった。

清美さんの話を遮るように、『昨日お客さんからチョコ貰ったんだよ。台所から持ってきて』と彼女にお願いしてその場から遠ざけてしまった。

清美さんが台所に行ってしまい、猫さんと二人っきりになった俺は内心ドキドキしていた。

悪い意味で。
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