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愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第8章 ■旦那様…
それを見ると、男は冷酷な笑みを浮かべ
「妹を守る姉気取りか。まぁいい。お前はここに残れ」
「……かしこまりました。」
「慎弥、『鈴蘭』が美しい少女だというのは分かった。調整を続けろ」
「はい。」
「それから洸弥。苺と、三住の奥様方を頼んだぞ」
「……はい」

そう言うと、男は慎弥と洸弥に去るように命じた。
慎弥が、茉奈の手を引いて部屋を出ようとすると、再び、呼び止め。

「顔を見せろ」
「よろしいのですか、目隠しをはずしても」
「かまわん」
慎弥は、わかりました、と答えると、茉奈の顔に巻き付けられた黒い目隠しをはずした。
茉奈がゆっくりと目をあける。

目の前には、緋色の絨毯に、暗い照明でぼんやりと浮かび上がる3つの大きなソファー。
中央のソファーには、ゆったりと座る、厳しい目をした、スーツ姿の初老の男性がいた。

茉奈は、まっすぐにその男性の目を見つめた。

「――いい目だ」
男が言う。
茉奈は無言で、男性を見つめつづけた。
初老の男性は、茉奈を見定めるようにじっと見ると、しばらくして慎弥に言った

「いいぞ、戻れ」
「わかりました」

慎弥は答えると、茉奈の手を引いて部屋から出ていった。
洸弥も、それに続いて、部屋を後にした。

そして春日――『牡丹』は、ひとり、暗い地下室に残された。
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