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恋花火
第19章 愛情オムライス
後片付けも終わって、食後のコーヒー


……ではなくて、


「ごめんこれしかない」


って出てきたのはクリームソーダ!


「家で食べれるなんて〜!すごい!」

「店で出してるやつ。これだったら俺でも作れるし。海もこれ好きでさぁ、風邪ひいてても何しても飲みたがんの。海の下にも妹いんだけど、そいつも好きで。いつもふたりして上にのってるさくらんぼ取り合ってて……」


陸先輩はハッとした顔をしたあと、「ゆっくり飲んでクダサイ」って笑った。


「陸先輩、お兄ちゃんの顔してますね。」

「えー、どこが〜」

「いつもとはまた違う顔が見れて、得した気分です。」


今日は色んな陸先輩を知ることができた。


サボっちゃうか、ってちょっと強引に引くその手も


ご近所さんに愛されてる一面も見れた。


高台で見せてくれた大切な景色


ドヤ顔で作ってくれたお好み焼き


お兄ちゃんの顔


そして、しなやかに動く指も、全部


「……先輩ってスルメみたい。」

「どういうこと 笑」

「噛めば噛むほど味が出て。知れば知るほど好きに……」


言い終わる前に重なった唇。


優しく交わるふたつの温度は、心の底からあったかくなる。


今度こそひとつになれる……?


そう思った矢先に、「ただいまぁ。陸ちゃん〜華ちゃんただいまだよぉ」


妹ちゃんのご帰宅です。笑


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