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恋花火
第21章 だって好きだから
「明日から大会ウィークですねぇ」

「そうだねー」


あの日二人の気持ちを確かめ合って、さぁ盛り上がるぞーという場面だったけど…


学校休むわけにはもういかないし、遅刻してもダメなのでおとなしく学校に行った。


ようやく陸先輩とゆっくり出来たのはそれから数日後のこと。


明日からは今年最後の大会に向けて、鬼練習が始まる。


…ので、それに備えて前日の今日は部活はお休み。


私は1年目なのでその鬼練習がどれだけのものかわからないけど、OB達や二年の先輩達はみな、口を揃えてヤバイと言った。


「それって強化合宿よりもヤバイんですか?」

「俺の中では、強化合宿よりキツかった。やっぱ大会に向けて調整するし、全体的にピリピリするしね。去年は何回も終電逃したよ。下手なプレイした奴なんて、日付変わるんじゃねーのって時まで走らされてたし。」

「うわぁ、恐ろしい…」

「だから今日はパワー充電しとく。」


本日、私のおうちに二人きり。


明日からは朝練も始まるので、しばらく陸先輩は親戚の家から通う。


その親戚の家というのが私の家のご近所さんなので、今日はたっぷり時間があるわけです!


陸先輩は今日、珍しくというか、初めて甘えモード。


二人並んで座っていたら、肩に頭をもたれてきた。


うわ…なんていい匂いがするの…


男子高校生って言えば、汗くさかったりするんじゃないの?


そしてつむじ!かわいすぎ…


そんな変態な私に気付いたらしい陸先輩と目が合って笑い合う。


「菜月ちゃんって面白いよね。」

「そうですか?面白いなんて言われたことないですけど…」

「目は口ほどに物を言うってね。菜月ちゃんはほんとそれ。」


陸先輩は、茶色い瞳で私の瞳を覗き込む。


じゃあ


陸先輩には伝わってるかな?


大好き


もっとくっつきたい


エッチしたい


そう思ってること、バレちゃってるかな……


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