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恋花火
第14章 My darling
「こいつは空気読めるバカだから、いいんだよ。」


そう、タケル君のご登場です。


「俺バカって好きなんだよね。」


そう言いながらタケルは内履きを履いたまま、机の上に座った。


「ちょっ…タケル君!?」

「あ。これおまえの机?わりーわりーあんまし汚くて気付かなかったわ」


タケルが座ったのは、栗林翔太の机。


そしてすごんで一言。


「てめー調子こいてんじゃねえぞ」


ぴゃあ〜!!


大変大変!!タイムタイムー!!審判!タイムー!ピピーッ!


「タケル!」

「うっせー」


名前を呼ぶも、タケルは既に臨戦態勢。


「タケル!ハウス!」


もう一度呼ぶと、こっちに来た。オラオラしながら。笑


「タケル!揉め事起こしちゃダメ!」

「はぁ?なんだよ俺悪くねぇし。あいつ前から気にくわねーんだよ俺の周りチョロチョロチョロチョロしやがって。知ってっか?あいついつもおまえのことかわいーかわいー言ってんだぞ」

「なん!?」

「なのに口開けばバカだのブスだのって」

「いや、バカとは言われたけどブスとは言われてないっつの 笑」

「とにかく…気に入らねーんだよ。」

「タケル!よく聞いて!今揉め事起こして下手に停学になったら、サッカーの試合出れなくなるよ!」


耳元でそう言うと素直に大人しくなった。わかりやす。笑


だけど教室を出るときに、栗林翔太に向かって一言。


「こいつには彼氏いんだよ。だからてめーは黙っとけ。わかったかこのマロン」


強いんだかなんなんだか


優しいのかよくわかんないけど、そんなタケルに栗林翔太は素直に「はいすみません」と言った。


「ぶはははは〜っ」


タケルが去った教室には、廊下で全てを聞いていたであろうレンの笑い声が響き渡った。
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