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第2章 始動

沈黙が続いたまま、車は進んでいる。
友香からのキスは、肯定のサインになった。
しばらく唇が触れるだけのキスを繰り返すと、綾瀬は車のエンジンをかけた。

また、流されるのだろうか。
友香は若い頃の自分を省みる。
誘われれば、すぐについていってしまう。
体だけの関係の男は、片手では足りない。

でも。

誰かに求められることは、嫌いじゃない。
自分が女なんだと実感できる。
ここから始まる恋があっても、いいんじゃないだろうか。

考えている間に、車はホテルの駐車場に入った。