この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
純の恋人
第8章 不信
 






 若頭が呼び寄せた成実という人は、私と同年代くらいの男性だった。極道には見えないけれど、サラリーマンにも見えないその人は、子犬みたいに目を輝かせて私に握手を求めてきた。

「で、デビューの頃からずっとファンでした、サインください!」

「え? あの、サインって?」

「成実、彼女は記憶を失っていると話したでしょう。真面目に仕事をする気がないのなら帰りなさい」

「だって、若! 生アンジュなんスよ! 若は知らないかもしれないっスけど、アンジュが仮面外してるなんて奇跡なんスから!」

 私はかつて、これほどまでに彼のテンションを上げるような歌を歌っていたんだろうか。いくら熱弁されても私にとっては、遠い話だった。

「すみません、成実は少し気の利かないところがありまして。粗相をしたら、遠慮なく殴りつけてください」

「いえ、殴るなんて……あの、それではさっそく、行きたいところがあるんです」

 私が全部話す前に、成実さんは大きく頷き手を取る。

「アンジュの頼みなら天国でも地獄でも! アメリカだって三十分で行っちゃいますよ!」
 
/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ