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純の恋人
第9章 彼の本性
 
「んっ……あ」

「縛るのも悪くはないけど、やっぱり喘ぎ声聞きたいよね。あんまり大きい声出しちゃ駄目だよ」

「ゃ……ああっ!」

 唇が離れても、またタオルで塞がれる事はなかった。でも、今助けを叫んで、誰かが来たらどうなるか。他人から見れば、私も野外でいやらしく股を開く変態だ。こんな姿、誰にも知られたくない。

 いや、それどころか――助けを求めても、侮蔑の目を向けられて無視される可能性だってある。一ヶ月前、私が出会った警察官のように。

「いや……あっ、やあっ! ひっ、く……」

 自由になった私の口から漏れるのは、彼を喜ばせる泣き声だけ。叫ぼうとしても、あの時の警察官が頭に浮かんで、身が竦んでしまった。

 激しく動かれると、どうしても声が漏れてしまう。大きな声を出したくなくて、私は彼の腰に足を絡めて動きを止めようとする。でもそれは彼をさらに動きやすくするだけで、なんの意味もなかった。

「いいよ、大胆だねアンジュ……せっかくだから、上に乗ってみる?」

 すると彼は私の腰を支えて持ち上げると、膝の上に向き合う形で座らせる。
 
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