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あなた~you~
第4章 Can I help?
デートを急かすオンナや
記念日を異常に大切にしているオンナの愛は
乃恵の愛に比べたら、本当にちっぽけだけど
逆に人間くさい。

人間くさい「愛と呼んでいるもの」にいささかうんざりして
全く信用していない俺は
乃恵の愛をよかった。と思った。

愛をかけた分、愛を返せという女たちは
愛を勝手に押し売りしておいて
それを返せという。

まったく自分勝手な思いだ。

乃恵の居なくなった食堂で
次の講義が休講になったので、暇になった俺は
紙パックのリンゴジュースを飲みながらそんなことを思っていた。

そして―――

俺自身が、愛を返してもらわなかったから
もう信じられないんだ。
という、思い出したくもない事を思い出した。

乃恵のように、愛を信じる環境にいたならば
今の俺も素直に「愛」を語れたのだろうか。

愛なんて・・・・

今更信じることなんか出来やしない・・・・
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