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獣日和
第2章 ベッド上での甘い罠




……何で二人共ここで寝てるの?

それに、何? この手。

私……二人から抱きしめられてる……?





このままどうして良いのか分からず戸惑っていると、右耳元から樹の言葉が聞こえてくる。





「何してるって、ふみのベッドで一緒に寝てるんだろ。……見て分かるように」






その声にピクッと反応した。

顔と顔が至近距離にあるせいで、樹の吐息が耳に掛かりぞわりと鳥肌さえ立つ。






「っ……一緒に寝てるって……だから何で……?」





質問すると、今度は左耳元から桜太の声が聞こえてくる。





「昔こうして三人で一緒に寝てたでしょ? その頃の事を懐かしんでたら、久しぶりにまた三人で寝たくなっちゃって……ダメだったかな?」






その声にも思わず顔や体を火照らせながら、言葉を詰まらせた。





「ダメ……じゃ、ないけど……」





桜太の言う通り、子供の頃は三人でよく一緒に寝ていたし、懐かしむ気持ちも分かる。

こうして大人になった今一緒に並んで寝るという行為に、特別な意味があるわけではないという事も。

……ただ二人は幼馴染として、一緒に寝ているだけ。




ふみは自分にそう言い聞かせ、動揺する気持ちを落ち着かせるように深く息を吐く。

そんなふみに対して、桜太が不思議そうに質問する。





「どうしたの? 具合でも悪い? ……ふみちゃんの体、凄く熱い……」





心配そうに額を触られ、ふみは慌てて起き上がろうとする。
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