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獣日和
第2章 ベッド上での甘い罠




「っ……!」




急いで樹の方へ顔を向け、何故キスをしたのか質問しようとする。

……しかし、また反対の頬へ柔らかい感触がすると、






「ふみちゃん、大好き。……樹と話したんだけど、やっぱり俺達ふみちゃんのこと諦められない。俺達だけのものになって……?」





その感触を与えたであろう桜太の方へ、今度は視線を向けた。





……俺達だけのもの……?

それより今、桜太まで私の頬にキスした……?




薄暗い中目を見開いて驚いていると、そのまま桜太の顔が自分の方へ近づいてきている事に気づく。

そして避ける暇もなく、桜太の唇がふわりと唇に重なる。





「んっ、んうっ……!?」






まさかの出来事にふみは顔を横へ振り、身を捩らせ、桜太の唇を振り解こうとする。

それも、右胸へ伸びてきた樹の手のせいで出来なかった。





「ふみ、俺達と結婚出来ないっていうんなら、結婚したくなるように思わせてやるよ。どちらか選ぶまで、毎日体で教え込んでやる。俺達以外からは誰にも抱かれたくないって思うぐらい、たんとな?」





そう耳元で話し掛けられながら胸を円を描くように撫でられ、樹が何を言っているのかすぐには理解出来ずにいた。
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