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獣日和
第3章 浴室と淡い思い出



自分の部屋から着替えを用意すると、ふみは脱衣所へ向かった。

そして服を脱ぎ、何も身に纏わない格好になると、バスタオルを体に巻き付け、そのまま浴室へ入る。

すると、すぐに桜太も続けて入ってきた。



途端その光景にもだが、自分が置かれている今の状況にふみは卒倒しそうになる。



腰にタオルを巻いているとはいえ、上半身裸姿の桜太は思い浮かべていたものとは違い逞しく、腹筋や腕についた程良い筋肉が色っぽい。




……いつの間にこんな“男の子"から“男の人"になってたんだろう。




ドキドキと高鳴る胸を抑えながら、ふみはシャワーの前に立ち尽くした。




そんなふみを不思議そうに見つめ、桜太が首を傾げる。





「ふみちゃん? ぼーっとしてどうしたの?」


「えっ……別に、なんでもない……」





自分が顔を真っ赤にしていることにふみは気づいていなかった。

桜太からの質問にずおずと答えながら、桜太から視線をそらす。




……が、桜太がニコッと微笑み、続けて話すと。




「体洗ってあげるよ。イスに座って?」


「……洗う? ……えっ? ええっ!?」





一瞬少し間を開けたものの、すぐに慌てて視線を桜太へ向けた。
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