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獣日和
第3章 浴室と淡い思い出


「っ……」




意地を張ってしまったせいで、こんな事になるなんて。

どうしよう。

緊張し過ぎて声にならない。




「ふみちゃん、手貸して?」

「…………」

「ん、今度は右手」




桜太の言葉に対して素直に従い、ふみは両手を順番に伸ばす。

すると同時に、桜太から優しく掌で撫でられた。

その後すぐに続けられた言葉は、更にふみの緊張を煽るものでしかなかった。




「じゃあ今度は……お腹ね?」

「えっ……」





咄嗟に戸惑ったものの、後ろから両手を腹部へ回されると、そのまま泡を付けながらなぞられる。

くすぐったい。

そう思うも暫くの間撫でられ続けると、……だんだん別の感情が沸き立った。




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