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言われてみれば、単純で。
第4章 俺と君は、曖昧で。02
多分金曜。もしかしたら土曜日。
まあ曖昧な時間。

キョーちゃんと俺がワインを被った日以来、何故か金曜の夜はキョーちゃんの家でシャワー借りることがたまにある。

キョーちゃんのワックスのついた頭を引っ張って遊んだり、ほぼ落ちきったアイシャドウを指で押し広げたりしてたのが原因だと思う。
おとなしく触らせてくれるようになったと思ったのに先手を打たれた。

キョーちゃんが言うには自分だけでは不公平だから俺もどうぞと言うことらしい。
まあそれはよくわかんないけど、頭のワックスが気になったときとかそう言うときたまに借りるようになった。

それと同時にキョーちゃんの部屋のリビングの一角に俺の私物が入る棚が置かれた。
たまたま彼女が部屋の大掃除をしだして邪魔なものを捨てたら其処が空になったので俺のスペースになったわけだ。
そこら中にばらばらと置かれていた俺の私物がそこにまとめられた。
そこにはジーンズとTシャツ。後はカレーだけが載ってる料理の本と仕事の専門書や雑誌、数冊。


何だか変な感じだ。こんな曖昧な関係。
でもそれが心地いいのも事実だし、こんな関係のまま一生終えるのも嫌じゃないと思い始めてる。

やっぱりこれは俺の普段使う「好き」じゃない。
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