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真選組 鮮紅血風録
第1章 男だらけの中に女の子1人の事を紅一点って言うじゃない?
近藤【とにかく静かにしろお前ら――――っ!!!!】

【ゼェ…ゼェ…ハァ…ハァ…】

かくして、再三にわたって近藤が注意をかけた事により、この意味不明な絶叫大会は終了した。
その場の全員が乱れた呼吸を荒く整える中、スッと挙手する沖田。

沖田【あー、土方さん? それから桐?】

土方【ゼェ…ハァ…あー? なんだ?】

桐【なんだよ、団子は後にしやがれってんだ…ハァ…】

沖田【いやいや、攘夷志士のアジト検挙に行きやしょう。近藤さんがそう指示したから俺ァこれから働きに行くところなんですぜ?】

近藤【あっ! そうだったな、すまん! トシは現場指揮! 桐、お前も一緒に行ってサポートしてやってくれ!】

桐【…………もっと早く言え腐れゴリラぁぁぁぁぁぁ!!!!】



…… …… ……



桐【――……ったく。ああやってすれ違ったりすると厄介だからサボんなよって、毎日毎日言ってるってのに】

沖田【どうせ俺が寝てたら起こしに来てくれんだろィ】

桐【土方さんにどつかれながらお前を探し回る身にもなれ。胃が幾つあっても足りん】

現場にパトカーを走らせながら、その車中で怠そうに会話する二人。
桐はハンドルを操りながら、助手席で窓に頬杖ついている沖田に言葉を返す。

沖田【へー、土方あん畜生に胃袋穴だらけにされてるたァ初耳だねィ。俺ァてっきり何処ぞのお人好しに穴だらけにされてると思ってたぜィ?】

桐【あー俺の隣で頬杖ついて窓の外見ながら喋るドSが原因で胃袋が蜂の巣になりそうだ。帰りにストッパ買って帰ろう】

沖田【そいつァ下痢止めだろィ、下痢止めで蜂の巣駆除は無理でィ】

桐【間違えた、ビオフェルミン】

沖田【乳酸菌でも無理でィ】

桐【へパリーゼ】

沖田【飲み過ぎが原因で胃が蜂の巣かィ?】

桐【あれ、あと何あったっけ。コーラック?】

沖田【便秘薬なんざ尚更無理だろィ。あ、でもピンクの悪魔って言うから効くっちゃ効くかも。試してみろィ】

沖田【断る、体内に2つも爆弾抱えたかねーよ】

……このようなやり取りは日常茶飯事。
この2人は同い年であり、幼馴染みのような腐れ縁だ。お互いに気心知れた間柄であり、相手の考えは手に取るように分かり合っている。

沖田【あの駄菓子屋の前に停めろィ】

桐【あいよ。あそこに潜伏してんのか?】

沖田【いや、アイス買ってくる】
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