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第5章 日常 -理香side-

「ごめん、お待たせ」
ドアを開けると、その側で、祐樹が壁にもたれかかったままスマホを触っていた。



「ん。大丈夫？」

「大丈夫じゃないから、出かける前にうちに寄って着替えたい。あと、これは洗って返すね」
誰に聞かれるわけでもないのに、思わず小声になってしまう。


「あぁー、確かに。
すごい濡らしてたから気持ち悪いか」

「…北宮が、…祐樹の所為でしょ」

苗字で呼びかけて、名前で呼び直す。