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第1章 　放課後音楽室

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「泣くなっつってんだろ」



パシッ…


乾いた音が音楽室の防音の壁に吸い込まれていった。


白川の眼鏡が吹っ飛んで床の上に落ちる。



「くっ…」



ほんの僅かな呻き。


それがこの時はじめて聞いた白川の声。



「柚葉ってば過激～」



咲が隣でまたあの企んだ顔をしていた。



「私たちはさ…ちょっと前髪切ってって言っただけだよ。そのボサボサの髪を何とかしてさ、ヨレヨレの制服も正して、俯くの止めてって言ったの」



手がジンジンしている。


頬を叩いた時に涙が掌に少しついた。







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