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私の可愛い変態ペット
第4章  抗争演劇部






「なっ、無理だろう?」



屋敷の中を指をさして得意気に八頭くんが言った。



「『なっ?』じゃないっ、私こんなの聞いてないからっ!!」



だって、これじゃあ話が違う。


ただ呼び鈴を鳴らして、一クラスメイトとして「一緒に登校しよう」と言うだけで良いはずだった。


それなのに、こんな状態では呼び鈴の所まで接近するのさえ難しい。


強面のお兄さん方をもろともせず、彼らの間を抜けて呼び鈴を押しに行く必要がある。


それも、こちらは八頭くんの依頼を負って来ている以上、捕まって問いただされれば、彼らが言う所の『八つ裂きにしたいくらい憎い八頭』の共犯者だとバレるだろう。


そうなった時の事を考えると……。


あぁ、なんだか血を見る気がする……。



「なに言ってんのさ、今更『約束は無し』なんて許さないからね」



「だったら、頼み事をする前に日向さんの家がこっち系だって条件を提示するべきだったじゃない。それだけで、この交渉の重みが全然変わってくるんだから」



「でも、それを伝えてたらきっと引き受けなかったでしょう?」



当たり前だ。


こっちは無償で動いているんだから、下手な危険は避けたい。



「不利な条件だって分かってたから言わなかった。でも、柚子葉ちゃんだって、聞かなかったでしょう?」



くそっ……。


意外にしたたかな奴だな、八頭……。








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