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中編小説
第1章 天使捕縛(竹中半兵衛×石田三成)
いつも見つめているのはあのお方の指先。

「じゃあこれを秀吉の所に持って行って。」
「承知致しました。」

竹中半兵衛は書類を書き終えた紙を丁寧に畳み、仰々しくひざまずく石田三成に差し出した。

「ねえ三成君、秀吉にそれを届けたら僕のところに戻ってきて。」
「は、はい!」

書類を受け取ると三成は主君である豊臣秀吉に届ける為に足早に向かった。

「三成君って可愛い子、素晴らしい剣技に軍神上杉謙信に勝とも劣らぬ速さ、将来が楽しみ…それに。」

薄く紅を引いた半兵衛の口元が微笑んだ。


「随分早かったね、秀吉は?」
「先程出かけられました、書物をお届けに上がって直ぐに。」
「そう…じゃあ暇だな、三成君遊ぼうかな…。」

半兵衛の小さな手が三成の頬に触れた。

「は、半兵衛…様?」

突然の事で三成は混乱して身体を強ばらせた。

「君がいつも僕を見つめてるのが嬉しいよ、この指で弄んで欲しいの?」「そ、それは…。」
「ふーん…じゃあ…僕が色々教えてあげる、逆らったら駄目だよこれは僕の命令だ。」
「は、はい…。」

混乱して身動きすら出来なかった。
半兵衛の声色はまだ年若く女性に対して興味を抱かない三成には混乱と濃密な彼の色香にあっさり絡め取られてしまっていた。

こうなれば美しく天使のように舞い戦う石田三成も軍師竹中半兵衛のされるがまま。

「あっ、半兵衛…様…そこは…あっ!」
「可愛い…可愛いよ三成君、もっと乱れていいんだよ。」

三成を座らせ抱き締めながら彼の耳元にふぅっと息を吹きかけると身体を激しく震わせて快感に身をよじらせた。

初な女を知らない三成は半兵衛の与えられる快感で狂ってしまいそうなほど飲まれていく。


「耳だけでこんなに感じちゃうなんていけない子、それとも僕の指先で可愛がって欲しい?」
「ああっ!」

低く囁かれる快感とそっと息を耳の中に吹き込まれる刺激は若い三成の身体の熱を高めただ喘ぐしかなかった。

「そんなこれ位で感じていたら…この先もっと耐えられないよ。」
「ひぁっ!」

ふぅっと何度も吐息を形の良い三成の耳に吹きかけ、ねっとりとした甘い低い囁きに彼の身体が激しく強張った。

「あーあ、達しちゃったんだ…。」

三成の下履きの股関がじんわりと濡れて染みを作った。
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