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真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても

応接室を出て、自分の机に戻った俺の目に出席簿が映った。
パラっとそれを捲り、名前を確認する。


“小早川玲織奈”



学校に果たして来るのだろうか。
そんな事件を起こして、クラスメイトといい友好関係を築こうったってそう簡単じゃないだろう。

関わりたくない、そう思ったっておかしくはない。
いや、そっちの方が正常だと思う。


仲良くしろと、前の担任が言えなかったのも無理はないだろう。
もしも、その現場を目撃してしまったのなら。


その刃が、彼女自身を傷付けたモノだったからいいにしろ。
一旦、それが外を向いてしまったら、それこそ惨劇だ。


自分に火の粉が降りかからないとも言えない現状。
それならば触らぬ神にたたりなし。


きっと、今まではそうだったんだろうな。


だけど、俺はそういうわけにいかない。


彼女を放っておく事は出来ない。


何か理由があるはずなんだ。
そんな事をしてしまう理由が。


まずはそれを彼女の口から聞きたいと思った。

一筋縄にはいかないだろうけど。

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