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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と


「菊……の……っ」



悟志は、俯せになっている私を後ろから羽交い締めにして仰向けにし、再び被さって来る。

首筋に吸い付きながら乳房を揉まれ、抵抗も出来ずに思うままにされる。

彼自身はつい今しがた果てたばかりだというのに、欲望に張りつめ、硬くなり上を向いていた。

私の中へと再び沈むと、律動しながら頬に手を添え、見詰めながら叫ぶ。



「どうしたらいい……どうしたら……君に愛されるんだ……っ」



簡易ベッドは弾まず、彼から与えられる衝撃は全て私が受け止める。

壊されてしまうのではないか、と恐ろしさが頭を掠めるが、凄まじい快感にその恐れは消し飛んでしまう。



――いっそのこと、今ここで、悟志さんにバラバラにされてもいい……

剛さんと愛し合う事も叶わないなら……もう……こんな身体……どうなってもいい……



「……して……」

「なんだい……?僕の、可愛い菊野……っ」



悟志は、瞳を潤ませて小さく聞いた。



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