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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②



『私……私……他に愛している人がいるって……言ったの』

「――」



真歩は思わず瞼を閉じて、首を振った。



――菊野のバカ。聞きたくないのに、何でわざわざ私に言うのよ……

友達だからって、なんでも言えば良いってもんじゃないのよ?

知ってる癖に……私が、悟志さんも、あんたの事も大好きだって知ってる癖に……

そんな事を聞いたら、堪らなく辛いだけなのに――




『そしたら悟志さんが……っ』

「ごめん、菊野、それ以上聞きたくない」

『……っ、真歩……』

「私にはどうにも出来ないよ……私にそんな事打ち明けられても、どうにも出来ないよ?
勘弁してよ……っ」

『――っ』



菊野が息を呑む気配が伝わる。







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