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愛しては、ならない
第51章 ナイトメアの後で



「ええ?」



昨夜の彼女の乱れっぷりをこの目で見て、身体で直に感じていた俺はその言葉を聞き返してしまう。

夕夏は俺にアカンベをして、服を掴んで洗面所へ行ってしまった。



「入ってきたら、殴るからねっ」



こんな捨て台詞を残して。

彼女が居なくなり広くなったベッドの上で、シャワーの音を聞きながら俺は呆然としていたが、不意にとてつもない怠さを感じ、仰向けに身体を投げ出した。

――疲れた、と思った。

それは当然な事だった。実際、昨夜は殆ど眠っていない。抱いても抱いても足りず、夕夏を際限なく求めて啼かせ、明け方の僅かな眠りの中でさえ、俺は菊野を攻め立てていたのだから。

夕夏も相当消耗しているに違いない。初めてなのに何度も俺に……

そこまで考えると、腕の中で揺れる夕夏の豊満な乳房を思い出し、疲れきったはずの身体がまた疼き出した。

俺は舌打ちし、拳で自分の頬を打った。



「もう、いい加減にしないかっ……くそっ……」





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