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第52章 最後に、もう一度だけ

彼は一層烈しく腰を突き進めて、私に覆い被さり口付ける。

絡み合う舌も、擦れ合う秘所も、頬に触れている彼の長くしなやかな指も――全てがいとおしくて、切なかった。

このまま、永遠に彼と触れあっていたい。彼と重なりあって、混ざりあっていたい。

身も心も乱して私を求める貴方を、ずっとこの目に焼き付けていたい。

私だけを、私だけを求めて居て欲しい……




「菊野……っ……もう……貴女とは……会わない……っ」

「――いや……っ……いや……嫌よ……ああっ」



彼は一旦猛りを引き抜くと、角度を変えて再び侵入し、最奥まで沈ませる。



「――ああああ」

「困った人ですね……俺の言うことを……聞いて下さい……」