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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ




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それから二十分程後、私は真歩と共に花嫁の控え室でお互いの積もる話で盛り上がっていた。

悟志は、気を遣ってラウンジに行ってしまった。



「は――……相変わらず悟志パパは優しいって言うか何て言うか……」



真歩は、髪型とメイクを済ませて御手洗いに行こうとした時、私達と遭遇したらしかった。



「今思えば迂闊だったわ……だって、参列客にあんな姿を見られたらビックリされちゃうじゃない。見られたのがあんた達で良かった~」

「ううん……私もビックリしたけど」




控え室では私までスタッフにメイクを直してもらったり、髪を結ってもらってしまった。

真歩が私を見て、呆れた様に悟志に言ったのだ。



「菊野が好きで仕方が無いのはわかるけどさあ、烈しいベロチューで口紅が取れちゃってるじゃない……
TPOってものを考えてよね~」



悟志はあっと口を押さえてこちらを見たが、わたしは恥ずかしくて顔から火が出そうだった。

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