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愛しては、ならない
第61章 愛しては、ならない



「いやあっ……ん」



沈ませたと同時に何の猶予も与えずに腰を最奥に突き進めると、悲鳴とも喘ぎともつかない叫びを菊野があげる。

その艶かしさに俺はぞくっと震え、更に烈しく打ち付ける。

突きあげる度に揺れる彼女の白い乳房、肌の上に踊る艶やかな黒髪、絡み付いてくるたおやかな腕、震える唇――

彼女の何もかもが、今すべて俺の物だ。

俺の全ても、貴女の物だ。



「菊野……愛している……っ」

「……っ……!……あああっ」



彼女からの愛の言葉を聞きたかった。だが、俺は喋れない程に烈しく腰を上下させて彼女を泣き叫ばせる。



いいんだ――貴女が何も言わなくても……

今こうして抱き合うお互いの身体の熱さが、全てなんだ――




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