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愛しては、ならない
第62章 愛しては、ならない②
剛の腕の力が緩んだと思った瞬間、羽織っていたシャツが素早く抜き取られた。
取り返そうとするが、彼の手にしっかりと握られている。
私は腕で身体を隠しながら剛を見るが、彼と目が合うと頬が熱くなり、また目を逸らす。
「……そんな格好で帰る訳にはいきませんよね」
「剛さん……っ……お願い……」
「俺の目を見てください」
「――っ」
気が付けば、彼は私の顎に手を掛けて熱く見つめている。
見つめ返してはいけない――そんな声が頭の奥から聞こえる。
でも、意思とは反対に私の目は彼の涼やかな目元に釘付けとなる。