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愛しては、ならない
第63章 once again


ただ、泣いて拗ねてしまった私に悟志が謝りにやって来たのは覚えていた。

私は、父親と悟志にオモチャにされて遊ばれたような気がしてむくれていて、『もう悟志さんなんて許さない』と思っていたのだが、大の大人の悟志が目の前で狼狽え、私の機嫌を取ろうと右往左往する様を見て、責める気になれなかったのだった。

そして、その夜、私はプロポーズされた。

でもそのプロポーズは何だか要領を得ない物だった事もよく覚えている。



『他の男よりも……僕のほうが安全だと思うよ?いろんな意味で……
君のパパにも見張られてるし、君を泣かすような事は絶対に出来ないし……ええっと……だからつまり――』



こんな感じの事をしどろもどろで言われた様な気がする。


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