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愛しては、ならない
第3章 ガール・ミーツ・ボーイ



この絵本を何度も読んで貰いたがる私にパパは涙ぐみながら言ったものだ。


「菊野は、何故こんな悲しいお話が好きなのかな?
……パパも、読んでて泣きたくなるから、もっと他の楽しい本にしない?」


涙混じりの懇願をガンとして聞かず、いつもこの本を読んで貰い、その度に悲しがって泣くパパの頭を撫でて慰めた。


マルコとジョンを、私が幸せにしたいと本気でこども心に思っていた。


「パパ、私ね、大きくなったらふたごのママになりたい。
ふたごにマルコとジョンて名前を付けて、いつまでも楽しく仲良く幸せに暮らすの。
そうしたら、この子達も幸せになれるかな?」



そして私は、結婚してからもその願いを持ち続けていたのだ。


私の夢は幸せなお嫁さんになる事と、ふたごの男の子の ママになることだった。

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