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愛しては、ならない
第12章 その花は、手折(たお)られて



「――祐樹も剛も、もう寝たのかな?」



悟志がベッドに腰掛け、シャツのボタンを外しながら小声になる。



「う、うん……多分」


私がゼリーの蓋を開けるのに苦戦していると、悟志が苦笑しながら代わりに開けてくれた。



「食べさせてあげようか?」


「自分で出来るよ……もうっ」



私は少し笑い、スプーンでミカンの果肉入りのゼリーを掬い口に運ぶ。


冷たくて甘酸っぱくて、喉の渇きが癒されていく。


無心にゼリーを口に運ぶ私を、悟志が静かな笑みを浮かべて見詰めていた。


途中からその視線に気付いて私は居心地悪さを感じてしまい、食べ終えて空の容器を手に、キッチンへ片付けに行こうと立ち上がるが、彼に後ろから抱き締められた。



「……さ、悟志さ……
これ、捨てて来なきゃ……」



「……後で僕がやっておく」



首筋に唇を落とされ、身体じゅうが甘く痺れた。
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