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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々




「僕は……乱暴のつもりでは……」


悟志は、決まり悪そうに口ごもる。



「……ご夫婦の間の事は、僕には分かりませんし、口出しする権利もありません……ですが、少し落ち着かれたらどうですか?」


淡々とした剛の言葉に、悟志は一瞬項垂れるが、唇を歪ませ、私の背中に向かい力無く呟く。



「すまなかった……菊野……どうかしていたんだ……」


私は、途端に感情が溢れ出し、嗚咽に襲われる。


苦しくて、収まらないそれを剛の胸に顔を埋めながら遣り過ごしていたら、悟志が近付いて来て思わず身を固くして目を瞑った。


剛の腕にも、力がギュッと籠る。
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