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愛しては、ならない
第14章 檻の中の愛




菊野は、あの日キスされて気絶して眠ってしまい、午後になり起き出して来たが、顔を合わせるなり真っ赤になり、目も合わせてくれなかった。


嫌がって居る様にも見えるし、そうでない様にも見える。


義理とはいえ息子にキスをされた訳だから気まずいのは当然だが、俺は彼女の気持ちを知りたかった。



彼女は、磨き上げられた窓に気付き、感嘆の声を上げると、ぎこちない笑みを向けてきて


「凄く綺麗にしてくれたのね……
ありがとう」



と言ったが、また顔を逸らしてしまった。


俺は、焦れて、彼女に近付いて肩を掴み振り向かせたが、彼女はますます真っ赤になり、震えた。

その反応が、嫌われているのか、それとも逆なのか判断が出来ず、俺もどうして良いか困惑するが、怯えている彼女の様が何とも言えず可憐で、被虐心と恋情に更に火が点いてしまった。



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