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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③




――コン、コン。


扉を叩く音に、二人は我にかえる。

剛は素早く私から離れ、返事をする。


「――はい」



「……剛君、清崎です……先生が、呼んでます……」

「……待っててくれ」


剛はシャツのボタンを嵌めて、乱れた髪を指で整えている。



ドクドクドクドクドク……

痛い程に強く脈打つ胸を掌で押さえ剛を見るが、彼は私に頷くと、


「……そこで休んで居て下さい」


と言い、素早くネクタイを締めて上着を羽織り、扉まで歩いていき、彼女と何か言葉を交わしてから扉を閉めて出ていった。

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