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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦


菊野は、悟志に何度、いや、何十回、それ以上の絶頂を与えられたのだろうか?

考えただけで、やるせなさと嫉妬で胸が焼けそうだ。

彼女を独占する権利など、俺には無いのに。

彼女が俺に恋を告げてくれた――

それがとてつもなく嬉しくて、幸せだと感じていたのに、もう自分の欲に苛まれている。

貴女を欲しい。

貴女の全てを欲しい。

もう、俺以外の誰にも触れさせたくない。


――つくづく身勝手で強欲だ。


俺はふと、先程ズボンのポケットの中でスマホが震えていた事を思い出す。


「そう言えば、花野さんにまだ連絡をしてなかったな……」


スマホを出し、画面を確認すると、花野からメールが来ていた。


『今夜は、やっぱりお泊まりかしらね?
菊野のお喋りに付き合わされて寝坊しないようにね?』



ズクン、と心臓が嫌な音を立てる。


花野は夢にも考えないだろう。

自分の娘が、十五の男にベッドで責められて果てたなど――






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