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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦



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烈しい交わりの余韻と、甘い気だるさを噛み締めながら、腕の中で放心するように俺を見詰める菊野の頬を掌で包む。

綺麗な涙がぽろり、と手の甲を濡らした。

初めて彼女の中に入り、熱い精を放った。

恐ろしい程の快感と幸福感に俺も酔いしれていたが、彼女の涙に狼狽えてしまう。

何度も泣くのを見たが、この涙は何の涙なのだろう。

無我夢中で彼女を愛した。

俺の全てを彼女にぶつけ、捧げたつもりだった。

彼女は俺に揺らされながら喜びに声を上げていた……そう思っていた。

だが、それは俺の都合の良い思い込みだったのだろうか?

幸せだったのは、俺だけなのか?





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