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愛しては、ならない
第28章 罪と恋を抱き締めて


「……剛さん……ちょっとごめんなさい……よいしょ」


私の上でスヤスヤと眠る剛をそっと横に寝かせ、ベッドから降りてバスルームに向かい、バスタブの中にお湯を張ろうと栓を捻る。

身体じゅうに付けられた、彼の痕跡を落とさなければ……

本当は、彼の温もりを残したままでいたい……

でも、そういう訳にもいかない。

溜め息を吐き、みるみるうちに溜まっていく湯をぼんやり眺めていたが、ふと、私の下着が彼に引き裂かれてしまった事を思い出した。




「そうだった……やだ、どうしよう」


部屋へ戻り、床に散乱する下着を拾い集めるが、とても身に付けられる状態ではなかった。


「私……下着無しで服を着て帰らなきゃ……なの?」



考えただけで恥ずかしかった。


このホテルは、剛の学校からも近い。

朝此処を出る時に、登校する学生達に見られてしまう……



「困ったわ……」


途方に暮れていると、眠っていた剛がパチリ、と瞼を開いた。



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