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愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない


剛の瞳の中に、意地悪で狡猾な色が浮かび、私の耳を甘咬みしながら囁いた。


「だったら……声を出したらいけませんよ」


「ん……!!」


電流のように伝う刺激に堪えられず小さく叫ぶと唇を塞がれる。


「ん……んん」


「……ふ……くっ……」


二人の口から漏れる、甘い吐息と呻きはお互いの欲に拍車をかけていく。

剛は速足で寝室へたどり着き、ドアを乱暴に開け、私をベッドへと沈めて覆い被さってくる。

薄いパジャマ越しに触れる、肌の熱さが切ない。

早く全てを剥ぎ取って、貴方を感じたい――






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