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愛しては、ならない
第31章 企み


色素の薄い瞳をキラキラさせて、森本は首を傾げて屈託なく笑っているが、本当に笑っているのだろうか。

彼の真意を探ろうと、俺も笑顔を崩さずにその目を真っ直ぐに見返した。


「……俺は……元々こういう顔さ」


「ふ~ん、そうなんだ。

なんか、菊野さんの事になるとムキになる感じに見えてさあ」


「――」



「剛君!お待たせ……

あ、森本君も一緒になの?」



また彼女の事を持ち出され、頬がカアッと熱くなった瞬間、清崎がやって来て、俺たちの妙な緊張感はプツンと途切れた。
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