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第34章 恋の短夜(みじかよ）

彼女がそっぽを向いてしまい、俺は苦笑いした。

つい、反応が可愛くて意地悪を仕掛けたくなってしまう……

抱き合う時には、貴女が俺より歳上だとかは全く関係ないのだ。

今こうしている二人は、恋人同士なんだ。

そうだろう?菊野――



「……意地悪だけど……好き」


聞き取れるギリギリのか細い声で彼女が呟き、腕を首に絡ませて来る。



「菊野……」


「剛さんが……好き……」


彼女の声は僅かに震えていた。その瞳に涙があるのか確かめる前に、俺は唇を奪われていた。