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愛しては、ならない
第39章 愛憎④


ピンポーン


インターホンが鳴り、森本はロックを解除する。

怠い身体を無理矢理ベッドから起こし、出迎える前に客が森本の部屋へと入ってきた。

彼は、壁に手を突いていつもの優雅な笑みを浮かべた。



「駄目じゃん、男の部屋をノックも無しに開けちゃ……晴香」


「今更でしょ?そんなの」


「まあね……」



清崎は、可憐な小さな手で森本の頬に触れると、彼の唇に自分の唇を押し当てた。

だが森本は口を結び、彼女の肩を掴み押し戻した。

彼女は怪訝な色をその瞳に浮かべる。



「どうしたの?」


「いや、俺まだ本調子じゃないし……

風邪、うつるだろ」


「べつに構わないのに……

うつったら学校休めるじゃないし?

剛も森本君も来てないのに行ったってつまんない……」



清崎は溜め息を吐いて、部屋の奥のベッドへと進み、髪を耳にかける仕草をしながらゆっくりと上がり、意味ありげな流し目を彼に向けた。







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