この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛しては、ならない
第39章 愛憎④



翌朝、ベッドで彼は目覚めた。

瞼も頭も重くて、頬の腫れもまだ引いていない。

昨日の出来事が、全て夢だったらいいのだが、殴られた傷と耳に残る彼女と父の喘ぎ声が生々しく、夢である可能性は限りなくゼロだろう。

身体を起こすとドアが開いて、林檎とナイフと皿を載せたトレーを手に彼女が入ってきた。

彼は彼女を見上げるが、彼女は昨夜の狂乱した姿が嘘のように整然と身なりを整え、綺麗だった。

波打ち、父の手に掴まれていた黒髪は編み込まれ、美しいうなじが彼の目に入る。

彼女は柔らかく笑い、彼の側の椅子に腰掛けて林檎を剥き始めた。



『彰君、林檎好きよね』


『……』


何も言わず、相槌も打たずに彼に見詰められ、彼女は気まずそうに目を臥せてから口を開いた。


『……警察にね、お父様が迎えに来てくださって、帰ってこれたの……』


『……』



彼は、彼女の指先が僅かに震えているのを見つけるが、胸の中に込み上げるのは暗い感情だった。


/1680ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ