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第39章 愛憎④

彼女は吃驚して、身体を二つに折りヒステリックに笑う彼を毛布を肩まで引き上げ呆然と見詰めた。



『はは……ははは……そうだよね……』

『彰――』

『晴香』


彼は笑うのを止めて、ふと真顔になり彼女を真っ直ぐに見据える。


『……なに?』

『僕が……晴香を菊野さんよりも素敵で色っぽい女にしてあげるよ』

『え……』

『相手は大人の女性だからね……
まあ、処女って言うセールスポイントは無くなっちゃったけど……
そこは演技で何とでもなるかもよ……男は単純だからね』


まるで自分自身を嘲るように言う彰に、清崎は一瞬瞳を曇らせたが、彼の目の中に獣が宿るのを認めると身体を強張らせ、ベッドから降りようとする。


『彰……私……帰……あっ』


彼は彼女の肩を掴み、再びベッドに沈めた。