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2年目の関係
第10章 翌朝〜



「渉にメールしたんだ。『今俺、穂とホテルで飲んでいるよ』って……。そうしたらいつもは返信遅いくせに、速攻返事を寄こしてきてさ〜。くっくっくっ」


山之内くんは口元を押さえて、愉快そうに肩を揺らす。


「う、うるせぇな……」


渉は蚊が鳴くみたいな、情けない声になっていた。


そっか――
渉一応、焦ってくれたんだ。


普段見せない渉の裏の顔に、胸の奥がキュッとくすぐったくなった時――――


山之内くんは、更に暴露トークをし始めた。


「ちょっと意地悪してやろうかなって。だって渉ったらさ、高3の時俺が穂のこと気になっているって言ったら、夏休み明けに『穂と付き合うから』って言ってきたんだよ。コイツ!」


「高3の夏休み……」


途端、ミーンミーンと――――

渉と初エッチした、あの日の蝉の鳴き声が聞こえて来た。

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