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刑事とJK
第14章 徒然シゲ




戻ってきたシゲは、
まず資料室にこもって資料の整理を始めた


さすがに何も作業していないと
暇死にしてしまいそうだったからだ







1時間ほどして、
シゲは目を休みようと顔を上げた



その時、藤野が斉藤の仕事部屋に入っていくのが見えた


その藤野の手にはグレーのファイル




あれは…確か重要任務書類を
入れるときにだけ使うファイルだ



シゲは気になって
斉藤の部屋に耳をくっつけ、盗み聞きした





――――――――――




「おお、斉藤頑張ってるじゃないか、感心感心」



「何の用だ?」



斉藤は藤野の顔を見る暇もないほど、
熱心に手元の作業に取り組んでいた


しかし、藤野が
「これだよ」
と言いながらグレーのファイルをちらつかせると、
斉藤は手を止めた



「来たな」



藤野は斉藤にファイルを手渡す



「簡単に言うなら、
盗まれたフロッピーを取り返すって感じだな」


藤野は近くにあった椅子に座った



「…」



斉藤はざっと書類に目を通す


盗まれた鞄の持ち主はKDT会社の幹部で、
その鞄の中には重要なフロッピーが入っていたらしい…



そのフロッピーの中身は、
KDT会社が行っていたヤクの売買リスト


もちろん、会社でヤクに関わった奴らは逮捕されたが…


警察としては、このフロッピーを押さえられれば
一気に犯罪者を洗い出せる


だから無事そのフロッピーを取り返せ…




「って感じか。犯人はわかってんのか?」



「KDTの社員だそうだ、
名前は確か…そこに書いてあるだろ?」



下坂鉄也…




「こんだけわかりゃ充分だ」


斉藤は書類をファイルに戻し、
藤野に返した



「え、いらんのか?」



「ああ、全部覚えた」



斉藤はスーツを肩にかけ、
部屋から出て行った




「…こういうことに関しての記憶力だけは天才だな…」



藤野も部屋を出た



――――――――――



斉藤が出て来る気配を察して、
シゲは急いで資料室に戻った





斉藤に重要任務が回ってきたことが、
また悔しかった




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