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刑事とJK
第14章 徒然シゲ




その頃、斉藤は昨日のコンビニにいた

下坂は品物整理をしている




「下坂…鉄也だな?」


斉藤が話しかけると、
下坂は立ち上がった



「はい…そうですが…」



斉藤は刑事手帳を見せる



「ちょっと話があんだが…」


「はぁ…、
少しこれだけ置いてきてもいいですか?」



下坂は抱えているパンが入ったカゴを見せた



「ああ、構わねぇ」


下坂はカゴを商品倉庫に置いて出てきた…
と同時に、斉藤に体当たりして入口から逃げ出した



「おい待て!!」



よろけた斉藤は足を踏ん張らせ、
下坂を追いかけた














なんでこう逃げる奴って
どいつもこいつも足が速いんだ!?



下坂は道路を横切り、橋を渡り、
廃屋になったビルの屋上まで駆け上がった



斉藤も必死に追いかけ、
下坂は屋上に追い詰められた




「ハァ、ハァ…ハァ、おい下坂、
お前の盗んだもん、全部渡してもらうぞ」



「金が欲しかっただけだ…金が…」



「他のもんはどうした…?」



下坂はハッとして内の胸ポケットから
フロッピーを取り出し

斉藤の表情を見てニヤッと笑った



「これ、大事なものらしいな!!
よし、これを返して欲しけりゃ俺を見逃せ!!」



「んな要求のめるか!!」



「それならこれは…」


下坂は両手でフロッピーを持ち、
曲げはじめた


「おい!!やめろ!!」


「なら、逃がせ」



今は…フロッピーが最優先…



斉藤は屋上の扉の前から離れ、
扉の下の方を指差した


「そこに置け…」




じりじりと下坂は扉の方に近づく

並行して斉藤は下坂の対角線上に進む





下坂は完全に扉の前に立った



「フロッピーを…そこに置け」


「ふん、お望み通り返してやるよ!!」



下坂はフロッピーを放り投げた





「あ、このヤロ!!!」


フロッピーは斉藤の上を通り越した


斉藤は無我夢中で走って
フロッピーに手を伸ばす



ガシャンと体がフェンスにぶつかる


身を乗り出して手を伸ばした




奇跡的に、
斉藤はフロッピーをキャッチすることが出来た


が、フェンスから乗り出した体はバランスを崩した


「しまっ―――」





落ちる―――…!!









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