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刑事とJK
第27章 父の壁




「まあまあ、いつぶりかしら、
あなたとは御祖母様が亡くなってからは
一度も会ってないわね」




「そうだったか…?」



「もう何年も昔の話だからね…
忘れちゃったかしら?」



光子は嬉しそうな、
でもどこか悲しそうな目で斉藤を見た




「で、話ってなんだ?」



「源十郎さんは、松の間にいらっしゃるわ」



光子は、付いてきて、という感じで
斉藤の前を歩いた



斉藤はそれに続き、
真理子も後ろを付いて行った




またしばらく廊下を歩いた




そして一際美しい絵が描かれた襖を開けると、
まず目に入って来たのは外の広々とした庭園風景



そして次に目に入って来たのは、
四角く低い机に、こちらを向いて座っている老人だった




老人はあぐらをかき、
腕を組んで座っている




斉藤も、机を挟んで老人の前にあぐらをかいて座った












老人の堅そうな口が開いた


「…よく、来たな」





「おめぇが来いっつったんだろーが」




老人の名前は斉藤源十郎(ゲンジュウロウ)



斉藤の、父親だった






「んで、用はなんだ?」



「正貴、結婚はしたのか?」



「はあ?」



源十郎は口元を上げる



「その様子じゃ、
まだ何も出来とらんようだな…」



「るっせぇジジイ、くたばれ」



「ふっ、そうだ。
私がくたばってしまった時は、
お前にあとを任せようと思っている」



「はあ!!??」




「そのために、なあ正貴、見合いをせんか?」




「しねぇよ!!!」





斉藤はきっぱり言った


そして続ける



「それにオレは、
もうこの家とはなんの関係もねぇ…
何度も言わせんな」




「私がそれを許したことは一度としてない」




源十郎は低い声で言った




「黙れ、すっげー不愉快。
オレ帰るわ」



斉藤は立ち上がって部屋を出た







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